会食恐怖症の慣らし方(治し方)
今回の記事では、会食恐怖症の慣らし方(治し方)についてお話したいと思います。文献に沿ってますが、主観も多いです。皆様の参考になれば幸いです。※以下傷病名を多用します。
まず、会食恐怖症の慣らし方でこうするのはどうかな!?という主観も交えての意見ですが、このような方法はどうでしょうか?
1.自己分析を行う
2.第三者の自分を生み出す
3.困ったときや苦しいときの自分の対応策を修正・変換する
4.対策を手放す
これらを重要視して対応していくのもひとつの手なのかなと思います。
今回は、2~3についてを掘り下げながらお話していきたいと思います。1の自己分析については、こちらの会食恐怖症を慣らすための自己分析を読んでみてくださいね。
ちなみにこちらの記事もおすすめです。まだの方はぜひこちらも合わせて読んでみてくださいね。
会食恐怖症の治療法
治療法には、主に薬物療法と精神療法の2つがあります。薬物療法は皆様ご存知ですよね。すでに内服されている方も多いかもしれませんが、会食恐怖症の薬というよりかは、SADの薬という形で処方されるかと思います。会食時の吐き気が強い方には、吐き気止めや逆流性食道炎の薬、胃薬なんかも処方されるかもしれませんね。
ですが薬には当然副作用もありますし、飲んでいるときは症状が抑えられても、効き目が薄くなると症状も出現するという事態に陥ることが多いです。
薬に関しては、今後別記事にまとめていくので、今回の記事では先ほどもご説明したように、精神療法についてお伝えしたいと思います。
精神療法とは
「精神療法」には、主に「認知行動療法」が推奨されることが多いです。認知行動療法というのは「認知の歪み(考え方)」を「具体的な行動」によって変えていくという方法です。₁₎
上記にご紹介した記事でもお伝えしたように、考え方の変換を行っていくというものですね。でもな~んか、認知行動療法っていわれると抵抗感があるのは私だけですかね?そんなことまでやるほどの症状ではないと思うし、だいそれている!と思ってしまいます。
なので、○○療法というよりは、「考え方の変換メソッド」というのはどうでしょうか!?笑
うん!良い気がする!!自己完結しました笑)と、いうことで、以下では精神療法に関して、考え方の変換メソッドという表現でお伝えしていきたいと思います。
考え方の変換メソッド~第三者の自分と対応策の修正~
自己分析を行い自分のことをよく理解された方は、第三者の自分を作り出して、客観的に周囲を観察することが不安感には有効です。そして、皆さんが考えている対応策(〇〇するべき症候群)に関して、修正が必要かどうかということも検討していく必要があります。
自分と相手、更にもう一人の自分をつくろう
恐怖感や不安感が強い方、何をしても心にゆとりが持てない方は、第三者の自分を作り出して逆に周りを客観的に見てみることです。第三者の自分とは、「今ご飯を食べている自分・周りの人」を客観的に見ている自分のことです。
イメージはこんな感じ
こんな風に幽体離脱でもしたかのように、自分や他人を見ているもうひとりの自分を作って、自分Bに客観的に周囲を評価させましょう。そして、自分Aの周囲に対する評価と、自分Bの周囲に対する評価に違いはないか確認しましょう。
上記イラストだと、頭を抱えているカエルは、ウサギの話を聞いていないのかな?つまらないかな?それとも、頭痛いのかな?お酒がまずいのかな?など様々な考え方ができます。ですが、SADのウサギAは、「この人私の話つまらないと思っているかも…」と感じてしまいます。
たいてい自分Aは、不安や焦り、緊張を感じていた場合、間違った評価や過大(過小)な評価をしてしまいがちです。相手の反応を悪く捉えがちですよね。
他の例として:
自分A:この人は私を見ている気がする!!怪訝な顔をしている!食べ方のことを話している!
自分B:客観的にみて、あの人は、私の手前のお刺身を見ている。届かないから食べたいのかな。あの人はお酒を飲んだ瞬間に怪訝な顔をした。苦いお酒なのかな。食べ方の話をしているけど、私のことじゃあないし、自分の魚の食べ方が汚いってことを話しているみたい。
こんな風に第三者の自分を生み出すことで、落ち着いて正確に判断ができます。
焦ったり恐怖を感じていると、第三者の自分どころではないと思いますが、そうゆうときこそ、あ!そうだった、もう一人の自分でてこい~~と考えてみてください。自分が気になる部分…お酒での赤面なら、他の人はどうかな? 食べ方なら、他の人の箸の使い方、取り分け方はどうか?
こういった形で観察することで、意外と「あれっ!自分と同じ!?」あるいは「自分よりひどいかも?」ということに気が付くと思います。
第三者の自分を作り出して客観的に考察ができたら、今度は自分の”〇〇するべき症候群”の修正が必要なのかも検討してみましょう。
周りに合わせなきゃと早く(遅く)食べるタイプの〇〇するべき症候群
恐怖・不安要素 | 対応策 | 対応策の修正 | ||
周りから食べるのが遅い(早い)と言われる | ➡ | 早く(遅く)食べるべきだな! |
➡ | 自分のペースで食べよう。遅く(早く)てもいいや。
事前に自分が食べるの遅い(早い)ことを周りに伝えよう。 |
好き嫌いが多いため、指摘されるかも | ➡ | しっかり残さず食べないとな! |
➡ | 自分が好きなものを好きなだけ食べよう。
偏食なことを事前に周りに伝えよう。 |
小食でバカにされる | ➡ | 沢山食べなければいけないな! |
➡ | 気持ちよく食べれればいいや。自分が好きなものを好きなだけ食べよう。
小食なことを事前に周りに伝えよう。 |
あるいは沢山食べたいけど、白い目で見られる | ➡ | 遠慮して食べるようにしよう! |
➡ | 自分が好きなものをたくさん食べよう。
大食漢なことを事前に周りに伝えよう。 |
吐いたらどうしようタイプの○○するべき症候群
恐怖・不安要素 | 対応策 | 対応策の修正 | ||
沢山食べると吐くかもしれないから沢山食べれない | ➡ | 食べないようにするべきだ! | ➡ | 少しだけたくさん食べてみよう。 |
脂っこいものを食べると吐くかもしれない | ➡ | 脂っこいものを避けるべきだ! | ➡ | 少しだけ脂っこいものを試してみよう。 |
会話途中で吐くかもしれない | ➡ | 会話は最小限にするべきだ! | ➡ | 会話を楽しんでみよう。
会話しないで食事を楽しむ瞬間があってもいいよね。 |
お酒も飲むと吐くかもしれない | ➡ | お酒は避けるべきだ! | ➡ | 少しだけお酒を多く飲んでみよう。
水を間に挟んで飲もう。 |
見られるのが怖いタイプの○○するべき症候群
恐怖・不安要素 | 対応策 | 対応策の修正 | ||
容姿に自信がないため評価されている、蔑まれているように感じる | ➡ | なるべく距離をとって見られないようにするべき。相手の目を見ないようにするべきだ! | ➡ | 化粧を頑張ってみよう。
少しだけおしゃれしてみよう。 好きな人がいるわけでもないから別に見られてもいいや。 |
食べ方を評価され、指摘されるかもしれない | ➡ | なるべく食べないようにするべき、食べるとき箸は正しく持ちきちんとしたマナーで食べるべきだ! | ➡ | 他の人の食べ方を見てみよう。
ゆっくり食べて食事を楽しもう。 自分がおいしく食べられればいいや。 |
咀嚼音が気になる | ➡ | なるべく咀嚼音を立てないようにゆっくりと噛むようにしよう! | ➡ | しっかり噛むのは悪いことではないし、口を開けてるわけでもないから大丈夫。食事の味を味わって食べよう。 |
お酒で顔が赤くなったり、だらしなくなったりするのを見られたくない | ➡ | お酒は避けるべきだ! | ➡ | ちょっと周りをみてみよう・・・赤くなっている人は他にもたくさんいるなぁ。
顔が赤くても会話はできるし、食事は美味しいし、別にいいや。 |
会食時の会話が嫌タイプの〇〇するべき症候群
恐怖・不安要素 | 対応策 | 対応策の修正 | ||
会話が盛り上がらないと飲み会が成り立たない。途切れると気まずい。 | ➡ | 会話を盛り上げるべきと思い頑張るべきだ!
盛り上げるためにガンガン酒を飲もう! 周りのペースに合わせて酒を飲もう! 周りのペースに合わせて食事をしよう! |
➡ | 自分のペースで会話しすればいいや。でも、○○さんに、これだけは聞いてみよう。自分が話せる人と無理なく会話しよう。
体調をみて飲む量を考慮しよう。お酒は飲むけどゆっくり飲もう。そして、種類を混ぜると酔いやすいので気を付けよう。 食事もお酒も自分のペースで進めよう。 |
「会話が盛り上がらないかも」➡「だから頑張って会話しよう」という思考ではなく、「自分のペースで会話できるときにできる人と会話しよう。でもこれだけは聞いてみよう。これだけは話してみよう」という考え方に変換することで、会食に対しての参加姿勢が全然違ってきます。
「飲んだから吐く」➡「だから飲まないようにするべき」ではなく、「体調をみて飲む量を考慮することで吐かない」という考え方の変換で程よく会話もできて気持ち悪くなることもありません。
このように、会食を乗り切るための対応策を少し変化させて、○○かもしれないから○○するべき、○○するかもしれなくて不安…ではなく、○○しても大丈夫、○○してみよう、○○でもいいやといったポジティブな考え方に変換してみましょう。
文献には、
対策すべてが悪いわけではありません。‥略。過度に対策や準備をしすぎることによって、いざその対策や準備ができない場合に、大きな不安が押し寄せることになりますし、「対策をしているから無事に過ごせている」と、自己効力感を感じにくいです。ですから、手放せるものがあれば、少しずつその対策を手放していくことも視野に入れていきたいです。
とあります。文献では、対策すべてが悪いわけではないけど、対策することで自己効力感を感じにくいから、対策は極力しなくてもいい。といっているようです。
私としては、対策をしないというのは最終段階かなと思います。○○でもいいや!とすぐさま考え方の変換ができる方は、そもそも会食恐怖症になっていませんよね。
まとめ
私は段階付けとして、
自己分析をする |
⬇ |
第三者の自分を生み出して客観的に周りや自分を観察する |
⬇ |
現在の自分の対応策を検討し、修正が必要ならポジティブな思考に考え方を変換する |
⬇ |
対策を手放してみて、対策しなくても大丈夫ということを実感してみる |
といった形で、少しずつ段階を踏んでいくことが良いのかなと思います。ですので、まず皆さんがやってみることは自己分析です。こちらの自己分析ノートも利用してみてください。また、会食時に、第三者の自分を作って周りや自分をよく見てみましょう。
そして「あ、この人全然食べてないな‥」とか「あ、自分、今落ち着けているな‥」と冷静に考えることができますよ。冷静になることができたら、次は、自分の考え方ってどうだったかなと考えてみましょう!もしかすると第三者の自分を作るだけで、すぐに対応策を手放すこともできるかもしれませんよ!
更に!!それでもまだ不安という方には、食事の際に座る位置の調整も行ってみましょう。座る位置を考えることでうまくいくこともあります。次回は会食恐怖症の慣らし方~会食時の座る位置~でお話していきたいと思います。また、会食時の慣らし方のための自己分析ノートも作成しましたので、現在の自分の対応策はどんなことしているのかな?何が嫌なのかな?など分析してみてください。
皆様が会食時に美味しく食事を食べて、会話を楽しむことに意識を向けることができるようになれば幸いです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
~余談ですが・・~
これは参考にならない余談ですが、私の幼少時の会食症状として、人に食べているところを見られたくない、見られていると緊張してうまく咀嚼できないといった症状がありました。ですが、この症状は成長するにしたがって次第に治っていったんです。
治ったきっかけとして思い当たることは…成長するにしたがって痩せていき、可愛くなったからです笑)
ププッと笑いたくなりますよね笑)
実は、会食恐怖症の文献に書いてある症状やきっかけは、特に思い当たることはないんですよ。恐らく子どもの頃の私は、自意識過剰が強すぎて自分が見られているという意識が強すぎたことでの、そわそわ感だったり、落ち着かない感だったのかなと思います。超ナルシストだったんです(今でも!?)
こんな感じで時間が経てば自信がつき治ることもあります。また、自分が自信を持てる姿って大事なんだなと思います。私の場合は別にかわいくもないですが、無駄にナルシストなのが幸いしたと思います笑)
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