会食恐怖症とは

5月 27, 2025会食恐怖症SAD,人見知り,内向型,内気,食事会・飲み会

飲み会の乾杯写真

飲み会時の乾杯写真

会食恐怖症とは、調べると英語ではFear of Eating in front of others(他人の前で食べることへの恐れ)、Eating Phobia(食べる恐怖症)、専門用語ではDeipnophobiaというそうです。

略してFDと表現されている方もいますが、DはDeipno‥からきているんでしょうか…ん~一般的ではないのかな? こちらでは会食恐怖症とそのまま表現させていただきますので、以下、傷病名を多用しますのでお気を付けください。英語名と略し方が分かる方いましたら教えていただけると幸いです。

「会食恐怖症とは、誰かとごはんを食べることに対して、健全ではない強い不安を感じ、次第にその不安を避けようとすることで、友人関係、恋愛、仕事などで何らかの支障が出てしまい、「本来あるべき健全な社会生活が脅かされている」という状態が、半年以上続いている場合のことをさします。₁₎」

と1)の文献では説明されています。あなたはどんな症状がでていますか?人によっては、人に食べているところを見られたくない。恥ずかしい。会話するのが辛い。吐くのが怖い。緊張で吐き気やめまい、動悸、飲みこむことができない。などなど様々な症状がでるとのことです。

会食恐怖症と聞くと少し怖い感じに聞こえて、症状もひどいのかと思うかもしれませんが、文献では半年以上症状が続くと恐怖症というみたいですね。

会食がダメという方でも、一人で食事に行くのは大丈夫という方もいますよね。そんな、会食恐怖症とはどういったものなのか、ということを今回の記事でお話したいと思います。

是非こちらも合わせてご覧ください☆

 

会食恐怖症の症状・発祥のきっかけ

会食恐怖症の症状

「吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害(食べ物が飲み込めない)、口の渇き、体の震え、発汗、顔面蒼白、含気、げっぷがでる、おならをしたくなる、緘黙(黙り込んでしまう)」₁₎

上記症状は、会食以外でも起こりえるものではあると思いますが、特に嚥下障害やげっぷなんかは会食時における特有の症状かもしれませんね。

会食恐怖症、発症のきっかけ

以下のような年齢・性別に多いです。

性別

男性:180名

女性:462名

 

年齢

0~20歳:157名

21~30歳:282名

31~40歳:134名

41~50歳:55名

51歳以上:14名

会食恐怖症発症性別・年齢₁₎

不安障害になるのは女性が多いといわれているように、やはり女性、しかも結婚や出産などの多感でストレスも多い時期である20~30代が多いみたいですね。

そして会食恐怖症になるうえで一番のきっかけは…完食指導や周りからの強要とのことでした。

1.給食で先生から

2.家族や親せきから

3.クラブ活動の指導者から

4.その他、恋人や友人など

5.体調不良など

6.その他、嘔吐や周囲からの注目など

完食指導や周りからの強要に関しては、

・それしか食べないの?

・もっと食べなきゃ!

・もったいないよ

・たくさん食べる人がいい

などの言葉をかけられると精神的に追い詰められてしまいます。

どうでしょうか?症状ときっかけについてご説明しましたが、皆さんは思い当たることがありましたか?私は上記のようなきっかけは思い当たりませんが、食べるスピードが遅すぎてみんながもう食べ終わって片づけをしているのに、自分だけまだ食べている…なんてことはしょっちゅうでしたよ。

学校って食事の時間がきちんと決められていて、しかも比較的早く食べなければいけないですよね。そうなると注目を浴びますので、頑張って早く食べていた記憶があります。

 

会食恐怖症のタイプ 

会食恐怖にはいろいろなタイプがあります。どれかに当てはまる方が多いと思うので、参考にしてくださいね。

周りに合わせなきゃと早く食べる・遅く食べるタイプ

自分が食べるのが早いあるいは遅いことで、相手のペースに合わない。そのため、残してしまったり、早く食べ過ぎてしまったりするので、周囲の注目を浴びるのが嫌で、そのプレッシャーにより症状が出てしまうタイプです。

吐いたらどうしようタイプ

お腹いっぱい食べることで気持ち悪くなったり吐いてしまうかもしれないことに恐怖を感じたり、食べる種類やタイミングによって症状がでたりと、異常な不安感を覚え、症状が出てしまうタイプです。

見られるのが緊張タイプ

他人の視線が気になり、自分の食事動作を見られている(箸の使い方や咀嚼動作など)と感じることで、緊張や不安を感じ、震えなどの症状がでることでさらなる症状が出てしまうタイプです。

会食時の会話が嫌タイプ

これは文献にはないですが、私自身や周囲の方の意見としてこんなタイプもありました。

もともと会話が苦手なのに、更に食べながら会話するというダブルタスク、あるいはトリプル以上のタスク動作が必要となり、自分の処理能力以上の能力、いわゆるキャパオーバーとなってしまうことで、緊張や不安を感じ症状がでてしまうタイプ。


以上、上記4つのタイプが考えられます。皆さんはどのタイプに当てはまるでしょうか?

先ほども記載しましたが、私は最後の会食時の会話が嫌タイプです。ですが、会食する際の対象者によって大きく異なります。親友や家族であれば問題ありませんが、職場の仲間などの中途半端に付き合いを保っている間柄とは、超超超超~~~~!!苦手です。もうすんっごいっ嫌です!!

なんで送別会とか忘年会とはあるんだろうと思います。行きたい人だけ行けや!私を誘うなや!!っと思います。(口悪くなってしまった(;´・ω・))

さて、話を戻しますが、実はすべてのタイプに共通していることがあるんです。それは会食恐怖症に限ってもいないんですが、

「~するべき(~しないといけない)」「~かもしれない」症候群になっているということです。※「症候群」は私が勝手に名付けました!

 

タイプ別○○するべき(しなくてはいけない)症候群

周りに合わせなきゃと早く(遅く)食べるタイプの○○するべき症候群

周りから食べるのが遅い(早い)と言われる 早く(遅く)食べるべきだな!
好き嫌いが多いため、指摘されるかも しっかり残さず食べないとな!
小食でバカにされる 沢山食べなければいけないな!
あるいは沢山食べたいけど、白い目で見られる 遠慮して食べるようにしよう!

 

吐いたらどうしようタイプの○○するべき症候群

沢山食べると吐くかもしれないから沢山食べれない 食べないようにするべきだ!
脂っこいものを食べると吐くかもしれない 脂っこいものを避けるべきだ!
会話途中で吐くかもしれない 会話は最小限にするべきだ!
お酒も飲むと吐くかもしれない お酒は避けるべきだ!

 

見られるのが怖いタイプの○○するべき症候群

容姿に自信がないため評価されている、蔑まれているように感じる なるべく距離をとって見られないようにするべき。相手の目を見ないようにするべきだ!
食べ方を評価され、指摘されるかもしれない なるべく食べないようにするべき、食べるとき箸は正しく持ちきちんとしたマナーで食べるべきだ!
咀嚼音が気になる なるべく咀嚼音を立てないようにゆっくりと噛むようにしよう!
お酒で顔が赤くなったり、だらしなくなったりするのを見られたくない お酒は避けるべきだ!

 

会食時の会話が嫌タイプの○○するべき症候群

これは私の経験に基づくものですが、こんな症状になりがちです。

会話が盛り上がらないと飲み会が成り立たない。途切れると気まずい。 会話を盛り上げるべきと思い頑張るべきだ!

盛り上げるためにガンガン酒を飲もう!

周りのペースに合わせて酒を飲もう!

周りのペースに合わせて食事をしよう!

嫌いな物でも食べてみて周りと反応を合わせよう!

 

といった考えが脳裏によぎります。これらは、会食を乗り切るための対応策として多くの皆さんが考えられることだと思います。ですが、これは不適切な考え方の可能性があります。この○○するべき症候群のせいで、会食恐怖症がますます増悪している可能性があります。

私事ですが、私はお酒が好きで、まぁそれなりに飲めます。日本酒5合飲んで酔っ払う感じですね。(そんなに強くはない?)でもね、緊張しているときは違うんです。そっちに意識がいって全然酔いません。なので酔って開放的になるために、ガンガン飲みます。周りにも合わせてガンガン飲むし食べます。そして最終的には気持ち悪くなります。

更に会話を盛り上げるべきと思い頑張りますが、あとで、どっと疲労感があります。が!好きな時に会話すればいいじゃんと開き直り黙っていると、私は本当に黙り込んでしまうので、それもしらけるので黙っているのが良いとも思いません。こんな感じで、それぞれが考えている対応策は間違ってもいるし、正解でもあるのかなと思います。

職場の飲み会はほんっとうに疲れます。私だけじゃあないと思いますが、うんざりですよね。

 

会食恐怖症のまとめ

などなど、上記のような様々な○○されるかもしれない。○○するかもしれない。という予期不安があり、更に○○するべき、○○しなきゃ、などの予測を行い警戒することで、結果、会食時に疲弊してしまうことが考えられます。

 

じゃあどうすればいいの??

巷で言われている一般的なことをお話ししますが、第一に考え方を変えることです。

○○するべきと対応策を考えて、あなたが快適に会食できるのであれば、それはあなたにとって適切な「○○するべき」です。ですが、あ~行きたくない、つまらない、息苦しい、寂しいなどというマイナスな感情が続くようなら不適切な考え方だと思います。

私は実際に飲み過ぎて吐くので、飲まなければ吐くことはありません。そりゃそうですよね。でも酒を飲んだほうが、自分も、周りも盛り上がるというのもまた事実です。また、頑張って会話するのは疲れますが、それで相手の内面を知ることもありメリットもあります。

なので、快適に会食するために、考え方をマイナスな感情にならないように変化させることで会食のデメリットよりもメリットのほうを考えることが重要です。また、こうすれば落ち着けるとか、自分の中でジンクスのようなものを決めるのもいいのかなと思います。

このあたりの詳しいところを、次回の「会食恐怖症の慣らし方(治し方)」の記事でお伝えしていきたいと思います。

さて、会食恐怖症については以上となります。こちらの記事では、症状全般のことをお伝えさせていただきました。ご理解いただけたでしょうか?また文献などを読んで、その他に有益な情報などがあればこちらに記載していきます。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 

◇引用・参考文献

1)山口健太(2020.2):会食恐怖症が治るノート,星和書店

・鈴木哲(2017.4):社交不安症がよくわかる本,株式会社講談社